データ入力業務の異字体
漢字には同じ意味や読みで異なる字体(異字体)が数多く存在します。
例えば以下のようなケースです。
「さいとう」さんの 斉・斎・齊・齋 や、「わたなべ」さんの 辺・邊・邉 など‥。
上記の例ではコンピュータが取扱うことができる文字セットにすべてあります。
しかし、ちょっとした違い、例えばハネやてんが違うとか、棒が一本多いとか少ないとか‥。文字セットにこういったすべての文字を入れることができれば良いのですが実際には限りがあって困難です。
そこで、文字セットにない場合はできるだけ似た文字で入力する方法(類似処理)が広く使われています(クライアントによっては原票の書体でなければだめだと、外字を希望される場合もあります。また、文字セットにない場合や読めない文字などを?や■などに置き換える場合もあります)。
また、旧字と新字の違いというのも多いのですが、例えば今思い浮かべただけでも以下のようなものがあります。
亜と亞、逸と逸、稲と稻、羽と羽、栄と榮、鋭と銳、横と橫、概と槪、学と學、祈と祈、暁と曉、祉と祉、祥と祥‥。
若い人の中にはこんな漢字があることさえ知らない人も多いです。
当社が得意とするデータ入力の世界では、これらの漢字を各オペレータが頭に記憶していて、見た瞬間に指が動く教育を時間をかけて行っています。
特に当社のようにデータ入力を専門に行っているところは、その入力の仕方もローマ字漢字ではなく連想入力ですから、あっという間に入力が完了してしまいます。
人名などは一文字間違えただけで致命的なミスとなることもあるので、漢字の入力って大変難しいんです。